樹脂製品設計(その1)

今回は、射出成形向けの樹脂(プラスチック)製品設計の基本的な要件について述べたいと思います。

射出成形は金型内部の空洞(キャビティ)に、溶融したプラスチックを流し込む成形法です。金型のキャビティに射出された樹脂は、金型内部の冷却システムによってガラス転移温度以下に調整され固化します。その際、プラスチックの性質上、一定の割合で収縮します。収縮する量は樹脂の種類によって様々ですが、だいたい、0.5%~2%程度になります。

ですので、金型を設計する際にはあらかじめ収縮する量を見越して設計します。

このように、「プラスチックが固化する際に収縮する」という製造プロセスを理解した上での製品設計が重要だと言えます。次に、製品設計の「良い例」「悪い例」を挙げてみます。

肉厚が均一でない設計のケース

各コーナーがエッジの箱型の製品を見てみます。見た目はすっきりしていて良いのですが。

肉厚解析をしてみると、エッジの部分の肉厚が極端に大きい事がわかると思います。

記事の冒頭にも申し上げましたが、樹脂が固化する際に一定の割合で収縮する性質ですが、液体から固化する時間がとても重要になってきます。

どういう事かと言いますと、製品全体が同時に固化せず厚肉部が遅れて固化する事で、意図しない製品の変形を呼び込む事です。

肉厚が均一な設計のケース

次に、肉厚が均一な製品設計を見てみます。

製品の肉厚を解析してみると、極端に肉厚な部分がない事がわかると思います。製品全体がほぼ同時に固化する事で意図しない変形は起きません。

実際の製品設計を考えると理想を言っているように思えるかもしれませんが、「肉厚は極力均一に」を頭に置くような設計思想が、樹脂製品設計の基本中の基本になります。

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